
自分専用の邸宅に姿を変えた、
            ブリティッシュスタイルの家。
        	
        賃貸用マンションを、憩いと癒しの別邸へ。


施主様は、ご自宅とは別にワンルームマンションをお持ちでした。それまで賃貸向けとして貸し出していましたが、奥様がコツコツとお集めになられたアンティークのコレクションが増え、今のお住まいが手狭になってきたこともあり、自分専用の邸宅にリフォームしたいとのこと。週末、ゆったりと一人でくつろいだり、友人たちとパーティを愉しめる家。そんな<自分専用の別邸>がご希望でした。
              
            ただ、間取りやデザインについては、具体的なイメージがあるわけではありませんでした。そこで、まずは施主様の思いなどを伺うことからスタート。実は施主様はお仕事でロンドン滞在のご経験もあり、イギリスのアンティークを集めるのが趣味。しかし、ご自宅では十分に飾ることができない。別邸では、好きなアートやアンティークに囲まれたいというご希望がありました。
            
            私たちは対話を重ねていきながら、ロンドン時代の思い出、ホテルが好きといった話の中から、施主様のセンスや好みをつかんでいきました。また、お話を聴くだけではなく、実際に施主様のコレクションも見せていただきました。やはり、モノがあるとインスピレーションがわきやすくなるものです。
            
            カウンセリングを経て、私たちがイメージしたのがイギリスアンティークの似合う、憩いの空間。そんな非日常的な空間というとリゾートホテルやレストランです。そこで、ブリティッシュスタイルのホテル、レストランを思わせる空間をご提案しました。しかし、制約のあるマンションという条件の中で、そうした空間をどうデザインするかが大きな課題でした。
- 施主様のご希望は、好きなアンティークなどに囲まれた、自分だけの別邸。
- カウンセリングでは、対話のほかにコレクションを伺いながら空間イメージを決め込んだ。
- イギリス的センスやアンティークを愛する施主様の感性から、ブリティッシュスタイルのホテルやレストランのようなデザインをご提案。
すべては窓のデザインから始まった。



マンションでは窓のサッシは共用部分となり、変えることができません。元のお部屋は窓が多く、いくら内装をきれいにしても、アルミのサッシが否応なしに視界に入ってしまいます。そうなると日本にいること意識させてしまい、せっかくの非日常性が損なわれてしまう。その意味で窓辺のデザインが最も重要なカギとなりました。
              
              そこで大胆なアイデアがひらめきました。共用部の窓の内側に、内開きの窓を取り付けるというものです。ヨーロッパの窓は開きが基本です。こだわるなら、そこまで徹底したい。海外経験もあり、海外建築に精通した担当設計者ならではのアイデアといえます。
            これを機に、一気にイギリスイメージが広がりました。施主様とお打合せをする際も、その場でいくつもアイデアスケッチを描くなどして、デザインを固めていきました。窓が決まると、それにあわせて壁や建具などのイメージもくっきりとなっていきました。
            
            イメージが決定したおかげで、施主様も触発され、ロンドンに出向いて、蚤の市でランプシェードに手に入れ、これも使用することになりました。
- 窓が多い部屋だが、マンションでは窓など共有部がリフォームできないのが課題。
- そこで内窓を取り付けるアイデアを採用。海外建築にもくわしい設計者らしいアイデア。
- ヨーロッパスタイルの窓辺にしたおかげで、壁など他の部分も英国イメージで統一。
窓、壁色など細部にまでこだわった英国調の造作。


ごく普通のワンルームマンションは、一軒家のような空間へと変わりました。しかも、そこは日本にいることを感じさせない、イギリスの香りが漂っています。白い格子の内窓の上部には、間接照明を埋め込みました。夜になると淡い明かりが窓辺を縁取り、エレガントな雰囲気を醸し出します。
              
            さらにアンティークと調和するよう、壁はペパーミントグリーン、オリーブグリーン(腰壁)で塗装、国内メーカーでは微妙なニュアンスが出ないので、海外メーカーのサンプルを参考に、わざわざ本場の色合いを作りました。洗面台もヨーロッパのように石を使い、水栓もアンティーク調のものを採用、鏡も木枠にするなど、細部にまでこだわりました。
            
            一方で既存のものも上手く活用しています。キッチンは、シンク以外は最小限の施工しかしておらず、コンロもそのまま使用します。ドアもペンキを塗った程度、ペンキのはみ出しもそのままにして、使い込まれた経年の味わいを再現して、アンティークとマッチさせています。
- ヨーロッパスタイルの内窓に取り付け、さらに窓上部に間接照明を埋め込んで、一軒家のレストランのような雰囲気を演出。
- 壁の色は、朝・昼・夜と見え方が全然違うので、それぞれの時間帯に行って確認し、サンプルをみて色を決定。
- キッチンはシンクだけを変えて、カウンターはタイルを貼るなど、既存のものを有効に活用。照明のペンダントライトは、施主様がロンドン蚤の市で買ったランプシェードを使用。











































