
抜けるように広がる視界、和のエッセンスが上品に息づく。
終の棲家として選んだ古いマンションを居心地のよい邸宅に変える。
和のエッセンスを取り込み、上品で落ち着きある空間へと変わりました。
暮らしたいのは、ずっと居たくなる空間。


 E様は、定年退職を機に都内のマンションへ住み替えをされました。子どもも独立して、これからは夫婦2人でシンプルな暮らしを送りたい。だから、ずっと居たくなる家にしたい。そんなリフォームをお望みでした。
E様は、定年退職を機に都内のマンションへ住み替えをされました。子どもも独立して、これからは夫婦2人でシンプルな暮らしを送りたい。だから、ずっと居たくなる家にしたい。そんなリフォームをお望みでした。
しかし、築44年のマンションは、居たくなる空間とは呼べない状態。無駄なスペースが多いわりには水回りが狭く、使い勝手が悪そうだというのが拝見しての印象でした。1階ということで専用の庭もありますが、暗いので眺めもよくありません。
コンセプトづくりにあたって、E様と対話を重ねました。主に大切にしたいことを挙げていただき、優先順位をつけてもらったり、好みのインテリアのテイストなどを伺いました。
その中で印象的だったのが、家にいる時間が多くなるので落ち着いた空間を強くお望みということ。また、和のテイストは好きだが、よくある和モダンは好みではない。そこで考えたプランのコンセプトは、どこか懐かしく、上質で落ち着く空間でした。
- 退職後、夫婦2人でシンプルな暮らしを求めて都内のマンションへ。
- すっと居たくなる家がお望みだが、暗さや水回りの使い勝手の悪さが目立った。
- 和のテイストが好みで、落ち着いた雰囲気は欲しいというのがご要望。
縦ラインを活かし、玄関から庭が見えるように。


一日でいちばん多く時間を過ごすリビングダイニングを住まいの中心と考え、大きく取るために居室を取り去りました。玄関から入り、扉を開けるとキッチン、リビングダイニングが広がるイメージ。視界の先には庭もあります。すっきりと抜けるような空間に生まれ変わります。
隣には主寝室を置きました。リビングダイニング同様に南東に面して、ここからも庭が見渡せます。間仕切りを開けておくと開放感あふれる広いスペースが生まれます。陽光も映え、風の通りもよく、明るく清々しい、くつろぎの空間となります。
和のエッセンスを活かしたのが、玄関入ってすぐの正面に付けたガラスの入った格子扉。家の雰囲気を決定づけるような存在感を放っています。その先には2.4メートルのオーダーキッチンをI型に配置。
縦長の導線を意識したレイアウトとしました。また、北側には書斎を設けました。他と同様に落ち着いた雰囲気に仕上げます。
シンプルで落ち着いた佇まい、玄関先から庭が見える縦のラインを活かした空間。そんな家をプランニングしました。E様ご夫妻からはリフォーム後の暮らしが想像できると、大変喜んでいただけました。
- 玄関先から庭が見える縦のラインを活かした空間にレイアウト。
- 格子の扉を付けて和のテイストを演出。
- 施主様には、暮らしが想像できるプランと大変喜んでいただけた。
デメリットを逆手にとって、雰囲気を演出。


和のエッセンス漂う、上質で落ち着きある空間へとなったE様邸。随所に洗練された意匠が光ります。たとえばキッチン前の壁紙。格子の直線モチーフを活かした、紫とグレーのストライプ柄の輸入クロスは、空間の縦ラインを上品に強調しています。
一方でリビングダイニング、主寝室は光が空間に映えるよう、白を基調に明るくまとめています。メリハリがつくようリビングダイニングの床は無垢材を、主寝室は足音が静かなカーペットを使うなど素材にもこだわりました。
また、廊下沿いに設けた洗面コーナーには、上質なベネツィアンガラスを使いスタイリッシュな雰囲気を持たせています。
実はこのマンションには大きな梁が3か所あり、キッチンの排気や浴室の換気経路の確保といった点で施工上の課題として挙げられていました。しかし、そういうデメリットを逆手に取った部分もあります。
玄関とリビング手前にあった大きな梁に合わせて、天井高を部分的に低くして、その段差部に間接照明を仕込み、キッチンも落ち着いた感じに演出しました。
このように空間、デザイン、素材とトータルなリフォームができたおかげで、季節や気候といった自然を感じられる、心地よい空間に仕上げることができました。
- クロスの柄も格子とコーディネートさせ縦ラインの空間を強調した。
- クロスや床材など素材にもこだわり、上質な雰囲気づくりに努めた。
- 大きな梁というデメリットをデザイン力で魅力に変えた。









































