
光るセンスとアイデア、想いあふれるオリジナリティ。
夢を叶えるために選んだのは、個性的な4階建ビル。
コストを抑えるために工夫で勝負、センスがさえる住まいを実現。
前オーナーの想いを大切にしたい。


 N様が中古の戸建てビルを購入された理由、それは将来ギャラリーを開くという夢。この中古ビルは4階建に地下1階という構造で、リフォーム前は1Fにベーカリーが入った店舗兼用住宅でした。
N様が中古の戸建てビルを購入された理由、それは将来ギャラリーを開くという夢。この中古ビルは4階建に地下1階という構造で、リフォーム前は1Fにベーカリーが入った店舗兼用住宅でした。
前オーナーは建築家ということで、4階まで続くらせん階段や地下室など、個性的なビルというのが第一印象でした。ただ雨漏りや建物の傷みも進行しており、防水対策などメンテナンスも必要でした。
N様ご夫妻がお望みなのは、自分たちの好みやライフスタイルにフィットした住まい。そこでイメージを共有するために、趣味や好きな家具などについて、いろいろとお話をしました。
その中ではっきりとお望みだったのは、なるべくコストをかけないでリフォームをしたいということ。そのため色々な工夫の必要性を感じました。
さらに前オーナーの想いも引き継いでいきたいというお考えもあり、らせん階段など既存の個性は活かすという方向でプランニングを行うことになりました。
- 購入したのは、前オーナーが建築家で個性的なデザインの4階建ビル。
- 施主様の夢は、将来このビルでギャラリーを開くこと。
- 既存の個性的な部分はなるべく活かす一方で、ローコストでのリフォームを希望された。
工夫とアイデアでローコストを実現。


ゾーニングは1階がギャラリースペース、2階がダイニングキッチン、3階が主寝室、4階がリビングと、1階以外は既存の間取りと大きな変更はありません。
ただし、ギャラリースペースは、屋上や外壁などの防水工事を入念に行う必要もあって、N様がお望みのような内装にすると、かなりコストがかかることが分かりました。
また、2階のキッチンも新しくするにあたって、タイルも取り換えたいと思いましたが、既存のタイルが今では手に入らないカラーだということが分かり、これも活かすことにしました。
そこでキッチンの部材や建具などは、N様自ら建材のアウトレット店で調達。何度も足を運んで探しました。設計者も同行して探したこともありました。そして、設計者と相談しながら大きさなどを決めて選びました。
このように、なるべくコストを抑えるために、工夫とアイデアで既存部分を活かした点がプランニングの基本となりました。
- 防水工事も入念に行う必要があるため、1階の内装はローコストにせざるを得ない。
- キッチン部材や建具は、建材のアウトレット店を回って調達した。
- 工夫とアイデで既存部分を活かし、なるべくコストがかからないようプランニング。
塗装やワックス塗りでは、施主様も作業。


リフォームされたN様邸は、既存の個性を上手く活かしたことで、かえってオリジナリティのある空間へと変わりました。ギャラリースペースは、あえて天井には手を加えず、その代わりに、壁面には残った無垢のフローリングを貼り合わせ、個性的な雰囲気を出しました。
2階のダイニングキッチンは、既存のオレンジ色のタイルを活かし、キッチン部材はパーツごとに購入し仕上げました。ダイニングテーブルはアウトレット店で手に入れた天板を使い鉄骨で製作。キッチンの収納ボックスも手作りですが、雰囲気にフィットしたものとなっています。
4階のリビングは、ゆっくり読書が楽しめる空間にしたいということで、たくさんの蔵書が収まる本棚とハンモックを備え付けました。ハンモックを吊るす金具は直接、天井の梁に溶接して、しっかりと固定。大人が座っても大丈夫です。
実はN様も仕上げ作業を行いました。職人のレクチャーを受けながら、フローリングに天然素材の蜜蝋ワックスを塗ったり、らせん階段にはアンティーク風な塗装をしたりと、できることはご自身でやりました。
それだけに想いもしっかりと込めることができて、家への愛着もいっそう深まったことと思います。
時間と手間はかかりましたが、その分ローコストながら、センスや工夫が光る、オリジナリティあふれる住まいにリフォームすることができました。
- 1階は、あえて天井はそのままにして、壁面には残ったフローリングを使って個性を演出。
- ダイニングテーブルやキッチンの収納ボックスは手作りで対応した。
- 施主様自ら、フローリングのワックス塗りや階段の塗装を手がけた。









































